差金決済取引と信用取引

株式取引は、数ある投資取引の中でも、わたしたちの中に広く浸透している投資になり、誰もがその名前を聞いたことがあると思います。
株式投資で取引が行われる株券は、企業がその経営や運営を行うための資金を調達する目的で発行されるもので、わたしたち投資家は、これを購入することによりその企業の株主となり、企業が業績を上げることによってそこから配当金が受け取れることになります。

また株券は有価証券でもあるために、証券取引所の審査を通過し認められた企業の株式は、上場株と呼ばれ株式市場で広く売買取引が行われるようになるのです。

わたしたちが一般的に読んでいる株式取引とは、この証券取引所の株式市場で売買が行われている上場株の株式を銘柄とした取引になります。
株式市場では、不特定多数の市場参加者が、市場で定められた取引ルールに従ってお互いに条件を提示しあって売買が取引を行なっています。

この取引には大きく分けて二つの取引の方法があり、その一つが証券会社に仲介してもらいながら実際の株を取引して行われる現物取引と、もう一つが証券会社に証拠金を預けて株銘柄を借りて取引を行う信用取引になります。

現物取引の取引ルールはシンプルなものであり、自分の保有している株銘柄へ売り注文を出したり、もしくは自分が欲しい株銘柄に買い注文を出したりして取引を行い、これが約定すれば金銭と株銘柄を交換することになります。

これに対し信用取引は、証券会社に証拠金を預けて借りた株券を利用し、実際の株の取引を行わずに注文の往復だけを行い、それによって発生する利益や損失だけを得るという取引を行います。

例えば、100万円分の数量の株銘柄を借りてこれを売り、その売った資金で同じ株銘柄が90万円に下がったところで、先ほどの100万円から90万円を使って同じ数量の株銘柄を返却すれば、差し引きで10万円が手元に残ることになります。

このように取引を行う銘柄の実態の交換を、その金額だけの交換を行い、そこから生まれる差金だけを求めて決済を行う取引を、差金決済取引と呼んでいます。

株式投資では、差金決済取引である信用取引を利用することで、その取引の戦略性を大きくしており、株式市場の取引のルールとして現物取引での差金決済取引を取引は禁止されているために、基本的に1つの銘柄に対して一日一回の売り注文と買い注文しか行えませんが、信用取引を利用すれば、証拠金を証券会社に預けて借りている株銘柄での取引となっているために、同じ銘柄に対して複数回の売買取引を行うことができます。

また、現物取引では株価が上昇して行く方向でしか利益が出せませんが、信用取引であれば、先ほどの例のように株価が下落する方向からでも利益が出せるために、株価に変動がありさえすれば、常に利益を出すことも可能となるのです。